語学力に関して思うこと

留学経験者が多かった仕事についていたこと、身近な語学に堪能な人たちを見聞きして思うこと。

 

・話す力はコミュニケーション能力に比例する

・語学の到達度は他の勉強のレベルに比例する(文書の読み書きなどの理解力)

・発音のレベルは音感に関係する

 

・話す力はコミュニケーション能力に比例する

留学経験者は、コミュニケーション能力が高い人が多かったです。
留学という行為に積極性が出ていますし、コミュニケーションを取るほどに会話力は磨かれそうです。留学経験を打ち出す人は、ある程度語学力とそこでの経験に自信があるのでしょう。あまり話さない人もいますし。
どんな人と出会ったかどんな留学生活だったかなどを聞くと、積極的にコミュニケーションを取る人のほうが帰国後も語学を生かそうとする姿勢を感じました。
転職して語学を使う高収入の仕事に就いた人たちを思い出すと、元の職場での評価が高かったですし、海外生活も長かったり、スポーツに打ち込んでいたり、様々な活動でも積極的でした。

 

・語学の到達度は他の勉強のレベルに比例する

海外生活の経験があり話すことが出来ても、ビジネスのレベルに生かすとなると、日本語での仕事のレベルと相関すると感じました。結局、日本語での仕事がある程度できる人たちが、語学を生かせるレベルの仕事についていました。会話における語彙や読める文書のレベルが違いますし、日本語で文書を読み込むことができない人は、外国語になってもやっぱり読めないのです。
できる仕事のレベルは理解力と比例していて、勉強の成績と連動していると感じました。
転職した同僚がある程度英語力を必要とする仕事につきました。同じ職場への紹介を希望した後輩(留学経験あり)が「まずTOEICで○○点以上取ってほしい」と言われたと聞きました。元同僚があとでこぼしたのは、その後輩は愛想もいいし会話はできるけれど、ビジネス文書を読めそうにないから条件をつけた、とのことでした。面倒な事態になると手伝わないと解決できなかったからなぁと、後輩との仕事を思い出し納得しました。結局この後輩は語学力を要しない別の仕事を選びましたが、その職場での話はとても楽しそうでした。

 

・発音のレベルは音感に関係する

職場のひとたちの英語の発音を聞いていて、カラオケのレベルと同じくらいだなと感じました。歌がうまい人のほうが流暢に話しているように聞こえましたし、歌がそこそこの人は日本人らしい英語を話していました。
あくまで発音の話で、片言のような発音でビジネス英語を使える人もいました。
私は英語のできる父にものすごく発音に厳しく英語を教わりました。そのせいか英語のテストでは発音の部分の得点が高かったですし、TOEICでもヒアリングのほうが得意でした。ただ、私が聞き取りできるのはアメリカ英語が中心で、他の地域の英語は聞き取りにくかったです。音程はある程度取れますが、私の歌はイマイチです。
発音にうるさかった父は音楽が得意でした(スポーツや数学なども幅広く得意)。歌がうまく、ピアノを弾け、楽譜を読めました。姉である伯母がピアノを習っていたからもあるのでしょうが、父本人はピアノを習っていません。他の楽器の演奏もできました。

私の母方の祖父は戦前上海の日本大使館に勤めていたのですが、中国語を読み書きできました。祖父は詩を好んでいたのですが、思い返すと祖父の作る詩は漢詩によく似ています。
そこで「おじいちゃん、中国語を話せるの?」と聞いたところ、ほとんど話せないとのことでした。中国大使館には日本人職員の倍以上の中国人職員がいたそうですが、皆日本語ができたので、読み書きができればさほど中国語が話せなくても良かったそうです。仲良く仕事をしていて、休日には現地職員と一緒に野球をやって(祖父は野球好き)、祖父の人生において充実した時期だったと話していました。その後、戦争が激化した頃には祖父は大学に入り直すため帰国しました。現地で夜間学校に行って勉強が好きだと改めて思ったからだそうですが、仲良くしていた中国の人と戦うために徴兵される可能性を減らしたかったのもあるんじゃないかなと、ちょっと思っています。
祖父が中国語での会話はできないというのは、シャイだったからなのか、実際はできるけれどそう言っただけなのか、日本の占領時代だったので本当に話す必要がなかったのかは不明ですけれど。まぁコミュニケーションに積極的とは言えないかなと。

 

上に出てきたピアノを習っていた伯母ですが、五か国ができるはずです。英語、フランス語、スペイン語ポルトガル語、日本語。普通の会話内でも外国語が出て来ると巻き舌がすごくて聞き返してしまうので、あまり語学が堪能だと日本語での会話に多少の影響が出そうです。しばしば「日本語で何て言うんだっけ?」となっていますし。
伯母は幼いころに英語に触れたわけではなく、大人になって語学を必要とする仕事を選び、自分で語学を習得しました。ソルボンヌ大学への留学経験がありましたが大学時代なわけで、それまでは公立高校をへて国立大学の教育学部への進学という、その後語学が堪能になるとは想像できない人生です。
今は日本に暮らし、自分の語学力を錆びつかせないためにも東京オリンピックでの通訳を目指す人を教えています。

 

結局見ていて思ったのは、勉強ができる人が語学も高いレベルに行けるし、コミュニケーション能力が高ければ人間関係に恵まれて楽しく過ごしている、ということです。